初めて参加した AWS re:Invent は、忘れられない経験でした。その規模と広がりは圧倒的で、他の初参加者の多くも同じ印象を持っていました。どこから始めるべきか、どこに時間を割くべきか。私はシンプルに考え、基調講演に加え、検知やインシデント対応に関するセッションやプレゼンテーションに注力することにしました。
当然ながら、Amazon はいくつもの大きな発表を行いました。Bedrockにおける新たなAI機能、より多くのサービスに統合された高度なアシスタント、高速なチップ、そしてあらゆるデータ処理に対応する大規模インスタンス。ステージ上で語られていたメッセージは非常に明確でした。「それらを適切に統合できれば、未来はすでにここにある」というものです。
最も価値のある会話はステージ外にあった
こうした発表は確かに魅力的でしたが、この1週間で最も有益だったのは、基調講演そのものではありませんでした。インシデント対応のミートアップで、小さなテーブルを囲み、実務でこれらの課題に日々向き合っている人たちの話に耳を傾けた時間でした。
そこには、10年以上の経験を持つAWSのシニアインシデントレスポンダー、セキュリティチームわずか2名でマルチクラウド環境を運用する連邦政府系請負企業の担当者、SplunkとSentinelを併用する欧州のチーム、そして公開トラッキングAPIの悪用対策に取り組むカナダの配送事業者がいました。そして私は、彼らの話を聞き、質問を重ねながら、この分野におけるエクサフォースの取り組みに対する高揚感を抑えていました。
実務担当者が本当に求めているもの
印象的だったのは、発表内容と比べて、彼らが本当に求めているものがいかにシンプルだったかという点です。彼らが求めているのは、魔法のような機能ではありません。実際にどのログが必要なのかを知ること。誤検知の「重大」アラートではなく、実際のインシデントを追跡しているという確信を持つこと。そして、誤って本番環境を停止させることなく、迅速な対応を支援する自動化です。
AWSのインシデントレスポンダーは、現場で本当に重要な要素を具体的に説明してくれました。CloudTrailの管理イベント、バケットから何が外部に出たのか、誰が取得したのかを把握できる適切なS3ログ、機密データを扱う場合のRDS監査ログ。さらに、GuardDutyやSecurity Hubを上位の検知・集約レイヤーとして活用し、本当に異常が疑われる場合にのみアラートを上げるよう適切にチューニングしておくことです。VPCフローログはネットワーク障害の調査には有効ですが、「何らかのデータが外部に持ち出されたのか」という経営層の問いに答えるには、ほとんど役に立ちません。
人間を介在させた自動化
自動化についても同様の傾向が見られました。エージェントやランブックの概念自体は歓迎されているものの、人の承認なしに本番環境を隔離するような仕組みは望まれていません。実務上の落としどころは、人間を介在させる運用です。
プラットフォームが関連コンテキストを集約し、可能性の高い根本原因を整理し、具体的な対応アクションを提案する。このキーを無効化する。該当IPアドレスをブロックする。対象インスタンスを隔離用セキュリティグループに移動する。そのうえで、人間が承認または却下する。迅速に実行でき、元に戻せることが重要です。
AIの誇張を必要としない、現実のセキュリティ課題
カナダの配送事業者の話は、この点を非常に分かりやすく示していました。現在の最大の課題は、エンドポイント上のマルウェアではありません。組織化された攻撃者が、正規の公開APIを大量に叩き、実在する個人のプロファイルを作成していることです。
この問題は、プライバシー、プロダクト、セキュリティが交わる領域にあります。すべてを停止すれば、顧客体験を損ないます。何もしなければ、機微な行動パターンを無償で提供することになります。この会話は、新しいチップやより大規模なモデルとは関係ありませんでした。重要なのは、セキュリティポスチャ、アプリケーション設計、そして少人数のチームで現実的に監視・制御できる範囲でした。
同じような制約に直面する、あらゆる場所のビルダーたち
こうした経験に加えて、私はAWS Generative AI Acceleratorプログラムに参加する機会にも恵まれました。そこで、世界各地のまったく異なる領域でプロダクトを構築している創業者やチームと出会うことができました。
あるチームは、AIを使って倉庫ロボット群を制御し、障害発生時にはリアルタイムでルートを再計画しています。別のチームは、営業通話、メールスレッド、プロダクトテレメトリからシグナルを抽出してGo-to-Marketインテリジェンスを構築し、レベニューチームが重要な案件を推測に頼らず見極められるようにしています。また別のグループは、工場現場のスマートフォン映像を使い、産業機器のAI支援型品質検査に取り組んでいます。
市場はまったく異なります。しかし、構図は同じです。小規模なチーム、野心的な目標、そして人員数を大きく超えるレバレッジの必要性です。
大規模な発表と廊下での会話の対比を見ることこそが、本当の学びでした。ステージ上では、無限のスケールと新しい中核サービスについて語られます。一方、ミートアップでは、2人のチームで40のアカウントと絶え間なく流れ込むチケットに対応しながら、基本的な仕組みをつなぎ合わせることが今なおいかに難しいかを耳にします。
どちらの話も事実です。そして、そのギャップこそが、私たちのような企業が価値を発揮する領域です。
エクサフォースにとっての意味
エクサフォースにとって、そのギャップは明確です。私たちの役割は、お客様がすでに利用しているすべてのツールを置き換えることではありません。本当に重要なログやシグナルに接続し、チームがまず何に優先的に対応すべきかを判断できるよう支援することです。AIを活用してトリアージを自動化し、優先順位付けを行う。過去の履歴から実際のコンテキストを引き出す。そして、チームがAWSやSIEMで日々行っている作業に沿った、安全な対応アクションを提案する。人間がコントロールを維持しながら、対応範囲を10倍に広げることが重要です。
確かな手応えを感じてre:Inventを後にする
re:Inventを後にしたとき、私は大きな手応えを感じていました。ただし、それは発表内容によるものではありません。新しい機能の上に、実用的なシステムを構築しようとしている人たちで会場があふれていたからです。セキュリティ分野のビルダー。ロボティクス分野のビルダー。Go-to-Market分野のビルダー。そして、私がほとんど理解していない業界のビルダーたち。
現在のエコシステムがこのような状況にあるのなら、膨大な情報の流れをチームが実際に使えるものへと変換できる人たちにとって、これからの1年は非常に有望なものになるでしょう。








